この記事は2016年3月8日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.29 2016年3月号
発酵とは?
発酵食品のお話、発酵の母シリーズの第三弾です。
これまでは、銚子の醤油、地酒についてお話させて頂きました。
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発酵の母① 醤油パン
この記事は2015年5月21日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。 コラム『おいしい おしゃべり』VOL.25 2015年5月号 特産品からわかる気候風土 気候風土と特産品とは ...
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発酵の母② 地酒ケーキ
この記事は2015年12月25日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。 コラム『おいしい おしゃべり』VOL.27 2015年12月号 日本酒は「お米のお水」 前々回に続き、「発 ...
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今回は麹に注目したいと思います。
まずその前に発酵について、おさらいです。
発酵とは、微生物が糖を分解してアルコールを作り出す働き(作用)の事です。
微生物とは、カビ(コウジカビや青カビなど)や酵母(パン酵母やビール酵母など)や細菌(乳酸菌や納豆菌など)などです。
食べ物が発酵すると、元の食品とは違った、別の食品に変化します。
言うまでもありませんが、これらを発酵食品といい、味噌、醤油、酒、納豆、漬物、パン・・・などがそうです。
今日、私が食べた発酵食品だけでも、朝食(味噌、納豆、鰹節、漬物、醤油)、昼食(パン、チーズ)、午後のおやつ(酒)※地酒ケーキのことです。
と、結構な種類の発酵食品を食べています。
どうして、発酵食品は体にいいの?
「発酵食品は体にいい」と言われるのは、微生物によって分解されて、消化吸収の良い食品に生まれ変わるのと、元の食品には無かった良い成分が生成されるからと考えられています。
そして、発酵食品には、元の食品より長く保存できるという利点と、独特のクセのある美味しさがあります。
人間にとって、ありがたい麹菌
発酵に必要な微生物の一つ、麹菌(コウジカビ)は、自然界に広く存在しています。
そして、たくさんの酵素(しかも種類に富んだ)を生成するため、でんぷん、たんぱく質、脂肪を粉々に分解します。
麹菌が栄養成分を分解してくれた食べ物を人間が食べれば、人間は難なく食べ物の栄養を消化吸収できます。
しかも、麹菌は食べ物を美味しく変化させてくれているからありがたいです。
「麹菌」は良い菌の日本代表「国菌」
甘酒、清酒、醤油、酢、みりんを作るには米麹が利用されますが、「米麹」とは、麹菌を米に繁殖させた物で、麦に麹菌を生やせば「麦麹」、豆に生やせば「豆麹」となります。
身近に生息し、強い分解力で、食品の美味しさと栄養価と保存性を高める麹菌を、昔の人は、色々な食べ物で試したり、また偶然に発見したりを繰り返しながら、今日の日本独特の発酵食品を誕生させて来たのだと思います。
麹菌がなければ、酒も醤油も作る事ができません。
麹菌は日本の食文化に欠かせない事から、「国菌」(こっきん)とも呼ばれています。
菌の中の日本代表という事ですね。
麹で作った「麹甘食」が超おすすめ!
当店では、米麹で仕込んだ『麹甘食』を作りました。
通常の甘食よりも焼き色が鮮やかでツヤがあり、ほんのりした自然な甘さがあります。
ぜひ、ご賞味下さいませ。