コラム

コッペパンを作り続けて

この記事は2016年2月2日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。

 

コラム『おいしい おしゃべり』VOL.28 2016年1月号

山口製菓舗のパン部門「ヤマグチパン」の誕生

昭和の学校給食といえば、コッペパンと牛乳ですよね。

大先輩方は、脱脂粉乳でしょうか(笑)

当社でも、学校給食とは深い関わりがあります。

先代 山口卓郎(現社長 佳郎の父)が、厳格な和菓子職人であった父 四郎(山口製菓舗の創業者・元銚子市議会議員・千葉県学校給食パン組合設立当時の理事長)に反発し、東京の鳥越に家出をしていた事がありました。

その時期に身につけたのがパン製造技術でした。

卓郎が家に戻るとそれまでの菓子屋商売にパン製造販売を加え、これが通称『ヤマグチパン』の誕生となります。

当社の正式名は『山口製菓舗』なのですが、銚子で一番最初のインストアベーカリー(店内にオーブンを装備し、その場でパンを焼いて提供する店。

当時は画期的で、お盆とトングを持ってパンを買ったのはヤマグチパンが最初というお話を聞きます)の印象が強く、私も嫁に来て初めて山口製菓舗という会社名である事を知りました。(びっくりポン!)

 

全国でも早めだった銚子の学校給食パンシステム

話は戻りまして、山口製菓舗がパン販売を始めた頃、世の中では、文部・厚生・農林三省次官通達で給食普及奨励が出されるなど、完全給食に向けての動きがありました。

四郎社長は、近くの銚子市立明神小学校の校長と給食導入について話し合い、まずは試験的にパンを明神小学校だけに納品し、近隣で一番最初の学校給食をスタートさせます。

この試験的に始まった山口製菓舗がパンを作って、銚子市立明神小学校へ納める学校給食システムは、千葉県内でも画期的でした。

銚子市は千葉県で二番目に市政が開始したのと同様、学校給食の開始も全国でも早めだったのです。

銚子が栄えていた事、山口卓郎が家出してパン製造技術を早々に習得していた事が、いち早く給食システムを確立させたのです。

これがもし、卓郎が家出をして、寿司屋に勤めていたら銚子市の給食はもう少し後になっていたかもしれません。

なぜなら、パン製造は温度や湿度管理が難しく、習ってすぐにできる物ではないからです。

その例として、全国の給食センターでご飯は自炊しても、パンを製造している給食センターはないでしょう?

そのうえ、学校給食となれば、時間厳守で、一日も欠く事なく、安定して供給する為にはパン製造に精通していなければなりません。

しかも、一度に大量の生地をこね、温度、湿度管理をして完成させたパンを同じ時間に各学校へ配送する事は容易ではない為、最初は明神小だけで試験的に行われたのです。

そして最初は、パンと牛乳だけの給食でした。

この時のパンこそがコッペパンです。

 

楽しい社会勉強「パン工場見学」

「学校給食のパンが楽しみだった」と、今でも当時の生徒さんから給食パンの古い思い出話をお聞きする事があります。

当時は、一クラスの生徒の数も多く、一度にたくさんのパンが作れるよう、パンの生地をこねる機械、分割する機械、丸める機械、成形する機械、発酵する機械、窯(かま)、自動包装機械と、全て大型機械が導入されました。

当時の経済を活性化させた2大用語であるベルトコンベア(もう一つはアーケードでしたね)の上を次々にパンが流れて行きました。

この光景を見ようと、社会見学授業で近隣の学校から多くの子供達が工場を訪れ、受け入れました。

工場見学の後にはパンがお土産でもらえ、生徒も先生も笑顔で帰って行きました。

地元のパン屋と校長先生の「地域を明るく良くしたい」という思いがあったと思います。

その後、コッペパンは、学校給食に度々登場し、誰もが食べた事のある身近なパンとなりました。

食パンのように切り分ける手間も要らず、一人一個を配給すれば良いように考案されました。

 

コッペパンの名前の由来

名前の由来は、フランス語のクッペ(Coupe)ですが、実際にコッペパンとクッペでは形は似ていてもレシピ、食感は少し異なります。

 

山口製菓舗(ヤマグチパン)のコッペパン

山口製菓舗のコッペパンは古い歴史があることがおわかり頂けたと思います。

当店のコッペパンは、表面は香ばしく、中はふわふわです。

側面の下部が甘みが感じられ好きだ、という方が多いです。

この部分がしっとりとしているのは、火通りが甘く(弱く)水分が多く残っている箇所だからです。

小学生の頃、この部分を指でつぶしてダンゴ状にして食べる人がいました。

これは、まさしく水分が多いからできる事で、上部の香ばしい部分ではこうはいきません。

こうして、誰もが食べた事のある昭和の味、コッペパンは、今時のオシャレなパン屋さんではあまり見る事はありませんが、当店では昭和の時代から今でもずっと作り続けています。

当時、「ヤマグチのコッペパンは香りが違う」と給食センターの栄養士さんにもお褒め頂いたコッペパン、お好きなジャムやタマゴサラダなど、お好みの具材をサンド致します。

たまにはコッペパンでレトロ気分に浸ってはいかがでしょうか?

ぜひ、お試し下さい!

 

山口由美子

大正3年創業 山口製菓舗 専務。1967年生まれ、おうし座。生まれも育ちも千葉県銚子。 趣味はギター弾き語りです。宜しくお願い致します\(^o^)/

本日もお読み頂きありがとうございました。
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