この記事は2015年1月20日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.22 2015年1月号
ひつじ年にちなんで
明けましておめでとうございます。
今年、年女なので羊について少し。
「羊」+「大」=「美」。
そのむかし中国では大きな羊を美しいと評したことが由来です。
羊は美しい羊毛がとれるし、羊の肉は美味しく、大切にされたのでしょうね。
それと、「大きな羊の味(美しい味)」と書いて「美味しい(おいしい)」と読む事を発見しました。
フレンチトーストの名前
さて、今年最初のお菓子はフレンチトーストです。
食パンやフランスパンを牛乳、卵、砂糖を混ぜた液に浸し焼いた物で、オシャレな名前の割に、家にある材料で簡単にできる為、ワクワクしながら友達と作った高校生の頃を思い出します。
「フレンチ」というくらいだから、フランス風なのだろう、と最近まで当然のように思い込んでいたのですが、「フレンチ」とは国名ではなく、人名だったということを知りました。
ニューヨークで酒屋を営むフレンチさんが作ったからフレンチトーストだったのです。
失われたパンを蘇らせる
フランスではフレンチトーストを「パンペルデュ」と言います。
「失われたパン」という意味です。
焼きたてのパンは美味しいですが、時間が経つにつれ固くなりますから、古いパンのことを(美味しさが)失われたパンと言うのでしょうね。
そして、失われたパンに牛乳、卵を浸み込ませることでやわらかくなり、再び美味しさを蘇らせることができるのが、フレンチトースト、フランスではパンペルデュなのです。
日本でも同じことをしますよね。時間が経って固くなったご飯に、お茶を注いで頂きます。
そうです、「お茶漬け」です。フレンチトーストとお茶漬けは同じですね。
また、アメリカでは朝食、フランスではデザートとして食べられているそうです。