コラム

メイドが作ったマドレーヌ

この記事は2014年2月15日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。

 

コラム『おいしい おしゃべり』VOL.12 2014年2月号

フランスのメイドが即興で作ったマドレーヌ

誰もが一度は口にした事のある、日本でも人気のお菓子マドレーヌ。

その起源には諸説ありますが、中でも最も有名でドラマチックな「メイドが作った説」をご紹介します。

時は18世紀、フランスのロレーヌ地方を治めていた食通のスタニスワフ・レシチニスキ公(元ポーランド王)が、コメルシー(フランス北部)という小さな町で野外晩餐会を催していた時の事です。

専属菓子職人が不在になり(料理長と喧嘩をして途中で仕事を放り出し帰ってしまったと言われます。)、料理長は急きょ、料理が得意な若い召使の女に菓子を作らせる事にしました。

すると、召使の女は、祖母に習ったという菓子をありあわせの材料で、しかも華やかになるようにと機転をきかせたのでしょうか、厨房にあったホタテ貝の貝殻で形作り、ふっくらとした黄金色の焼き菓子を作りました。

即興で作ったこの菓子は客人達に大好評でした。

そして危機を乗り切ったこの召使の名前こそがマドレーヌ、という訳です。

この菓子を大変気に入ったスタニスワフ公は、この菓子に召使の名前であるマドレーヌと名付け娘にも送りました。

娘とは、ヴェルサイユ宮殿に嫁いだ、フランス王ルイ15世のお妃となったマリー・レクザンスカです。

その後、マドレーヌはヴェルサイユ宮殿だけでなく、パリ中に広まりました。

マドレーヌのレシピは長い間秘密とされていましたが、コメルシーのお菓子屋さんに非常に高額で譲られたそうです。

また、パリの機関車開通の際は、お土産用としてコメルシーから売りに行ったという記録や、マドレーヌが入った楕円形の木箱の写真や、首から大きな容器(ちょうど駅弁売りのような)を下げた女性がマドレーヌを売っているらしき当時の写真を見た事があります。

小さな町コメルシーから生まれた小さなお菓子マドレーヌは、250年の間に、コメルシー⇒ヴェルサイユ宮殿⇒パリ中⇒フランス中⇒世界中に広まり、私達にも身近なお菓子として定着したようです。

 

マドレーヌの特徴は貝の形とヘソ

マドレーヌが貝の形をしているのは、スペインの寺院への巡礼者がホタテガイの殻を携帯用の食器として持ち歩いた風習からきているとの説もありますが、いずれにしても本場コメルシーでは貝の形と、ポコッと出た“ヘソ”がマドレーヌの特徴とされています。

日本では、私が小学生の頃には、縁がギザギザした丸型に焼き上げたマドレーヌ(パンドジェーヌとも呼ばれる)が主流でしたが、近代では洋菓子専門店の増加と比例するように貝型のマドレーヌも多く見かけるようになりました。

今更、味の説明も不要かと思いますが、主原料の薄力粉、バター、砂糖、卵がほぼ同量で、味、食感はパウンドケーキと似ています。

当店では、定番の蜂蜜レモン、メープル、アーモンドの他に、きなこ、黒糖、小豆などの栄養価の高い天然和風素材を取り入れた物や、ポリフェノールを多く含んだココアマドレーヌなどをご用意致しております。

 

ぜひ、マドレーヌのエピソードを思い出しながらお召し上がり頂けましたら楽しいと思います。

 

山口由美子

大正3年創業 山口製菓舗 専務。1967年生まれ、おうし座。生まれも育ちも千葉県銚子。 趣味はギター弾き語りです。宜しくお願い致します\(^o^)/

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