この記事は2017年7月9日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.45 2017年7月号
前号が蜂蜜でしたので、甘味料つながりで今回はメープルシロップについて、おしゃべりしたいと思います。
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子供の頃はじめて食べたメープルシロップに感動!
私が初めてメープルシロップの味を知ったのは、レストランでホットケーキを食べた小学校2年生の時でした。
「世の中にこんなに美味しい液があったのか!」と子供ながらに衝撃を受けた事を今でも忘れられません。
そして私は、その液を蜂蜜だと勝手に思い込んでしまい、「この蜂蜜も違う、これも違う・・・・。やはり、あの味は、あの店でしか味わえない特別な蜂蜜なのだろうか。」
と、勘違いしたまま結構な長い年月を過ごしたのです。
昔は、グーグルで検察する事もできませんでしたから未解決の謎が結構ありました。
パンケーキブームの今では、メープルシロップを知らない方は少ないと思いますが、その作り方や成分、そしてかつて私が間違えた蜂蜜との違いもお話したいと思います。
メープルはカナダの象徴
メープルシロップは、カエデの樹液です。
カエデとは、童謡『もみじ』にも歌われている「~楓(かえで)や蔦(つた)は~」のカエデです。
とはいっても、その種類は色々あり、中でも甘い樹液を持つサトウカエデから採取されます。
産地は、全世界の80%がカナダで、残りのほとんどはカナダ寄りのアメリカです。
ですから、メープルといえば、カナダ!となる訳です。
カナダ国旗やカナダ政府が保証する法定通貨メープルリーフ金貨にはサトウカエデが描かれていますよね。
メープルはカナダの象徴なのです。
メープルシロップができるまで
カナダの厳しい冬を越し、春になると、サトウカエデの木からは甘い樹液が採れます。
ただ、この時は、まだ無色透明で、甘さも低めです。
これを煮詰めて、水分をとばしていき、メープルシロップ本来の味、風味、色に仕上げていきます。
メープルシロップは最終的な糖度が決められている為、糖度の高い樹液の場合は短時間で煮詰まりますが、逆に糖度の低い樹液だと決められた糖度になるまで長時間煮詰める事になりますから、その分色も濃くなります。
砂糖がカラメル色になる原理と同じです。
こうして仕上がったメープルシロップは色別に5段階に分類されます。
色の薄い物は上品な風味、濃い物はコクと甘香ばしさを感じられます。
メープルシロップと蜂蜜を比べてみよう!
では、いよいよ蜂蜜と比較してみます。
メープルシロップは木の樹液を煮詰めた物。
蜂蜜は花の蜜を濃くした物。
どちらも自然の蜜から水分をとばし凝縮した物ですが、蜂蜜は水分をとばして凝縮する際、ミツバチの唾液によって成分が分解されるという点が決定的な違いです。
成分的に見ても、メープルシロップの主成分はショ糖ですが、蜂蜜はブドウ糖と果糖に分解されていますから、蜂蜜の方が消化が早い、という事になります。
カロリー的には、高い順に砂糖、蜂蜜、メープルシロップとなります。
甘さ的には、強い順に蜂蜜、砂糖、メープルシロップとなります。
メープルシロップはカロリーが低い分、甘さも少ないですが、蜂蜜は砂糖よりカロリーが少ないのにもかかわらず、甘さは砂糖より強いという点が嬉しいです。
メープルシロップも蜂蜜も工夫すればダイエットに効果が期待できそうです。
また、メープルシロップには、蜂蜜よりもカルシウム、カリウムが多く含まれています。
以上、成分について色々書きましたが、食べ物の成分は、人間がわかっている物より、わかっていない未知の成分の方が遥かに多いと思いますので、メープルシロップと蜂蜜という大自然を相手に単純に比較してもあまり意味のない事かもしれません。
どちらも自然の恵みで、はかり知れない栄養があると思います。
要は、食べたい物を食べたい時に、ありがたく、おいしく頂きましょう!
純粋なカナダ産メープルシロップには、原材料表示に「カエデ樹液100%」等と書いてありますので確認して下さい。
賞味期限は、蜂蜜が腐らないのに対し、メープルシロップは開封後は要冷蔵で半年位です。
当店の商品『メープルマドレーヌ』
メープルシロップたっぷりでいい香りです♪
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