この記事は2014年11月30日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.20 2014年11月号
いろいろな穀物のパン
パンとは穀物の粉、水、塩、酵母を混ぜて発酵させて焼いた物です。
穀物の粉は、小麦粉が一般的ですが、ドイツにはライ麦から作ったライ麦パンや、メキシコにはトウモロコシ粉から作ったトルティーヤなど、世界にはその土地に合った様々な材料が用いられたパンがあります。
近年、日本では米から作る米粉パンが誕生しています。
発酵しないパン
パンといっても、酵母を入れない無発酵パンもあります。
酵母を入れないという事は、発酵しませんから、長い発酵時間を待たなくても焼けばパンが出来ますが、これだと膨らみませんから、重曹やベーキングパウダーを使って膨らませる方法もあります。
これをクイックブレッドといいます。
主原料は同じでも、発酵したパンと発酵しないパンでは、香り、食感、味の全てが違います。
私は、やはり時間をかけて熟成発酵させたパンが好きです。
長く手をかけた分の美味しさが感じられます。
世界の代表的なパン
パンと言っても、世界中には、その土地の風土によって安定して豊富にとれる穀物が異なりますし、その国ならではの生活に合った伝統的な作り方があります。
では、当店に並ぶパンを幾つか取り上げ、世界のパンをご紹介させて頂きます。
イギリスのイギリスパン
食パンのフタをせずに焼くので山形に膨らみます。
薄くスライスしてカリカリにトーストするのがイギリス流です。
私は正反対の厚切りを軽くトーストしてバターを塗るのが好きでお客様にもお奨めしています。
フランスのバゲット
「杖」を意味する、いわゆるフランスパンです。
同じフランスパンのパリジャンやバタールよりも細いのでクラスト(表皮)の香ばしさを楽しめます。
逆に、クラム(中側のやわらかい部分)がお好きな方には、バタールをお奨めします。
フランスのクロワッサン
バターやマーガリンを生地に折込んで焼き上げます。
サクサクした食感と甘みが特徴なのと、「三日月」という意味のロマンチックな名前が愛される所以ではないかと思います。
フランスのブリオッシュ
バターと卵をたっぷり使ったパンで、とてもやわからい食感と豊かな風味、濃厚なコクが楽しめます。
スウェーデンのシナモンロール
シナモンと砂糖をたっぷり使ってグルグル巻いたパンです。
日本では1990年代後半頃に登場し大ブームとなりました。
今でも定番商品となっているお店が多いですから、日本人の好みに合ったのだと思います。
イタリアのチャバタ
「スリッパ」という意味の名前で、形は平らで、中側はキメが粗く、オリーブオイルが合います。
イタリアのパニーニ
本場では、生ハムやチーズを挟んだサンドイッチの事で、日本ではパンをプレスして、斜めに焼き目が付いた物をいいます。
日本のパン
そして我が国、日本特有のパンをご紹介致します。
コッペパン、アンパン、クリームパン、コロネ、メロンパン等の菓子パンは日本独特のパンです。
当店では焼きたてのコッペパンにお好きなジャムをお付けしています。
いかがでしたか?お好きなパンはありましたか?
まだまだ世界にはたくさんのパンがあります。
同じ名前のパンでもお店によって形も味も違いますから、「食べ比べ!パン屋さん巡り」するのも楽しいですよね!