この記事は2020年3月11日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.77 2020年3月号
「ところてん」は「寒天」より先?
私が菓子屋に嫁いでまだ間もない頃、「心太(ところてん)」を「しんた」と読んでしまい旦那に笑われたことがありました。
お客様の前でなくて本当によかったです。
さて、この、ところてんですが、とてもヘルシーな食べ物である事は有名ですよね。
では、「ところてんは寒天よりも先に食べられていた」のをご存じですか?
「え?だって、寒天を細くしたのがところてんでしょ?」
今回は寒天のお話です。
偶然からできた「寒天」
ところてんは中国から伝わり奈良時代から食べられていました。
そして江戸時代のある日、ある男が、ところてんを外に捨てたところ、凍って乾燥したのが寒天のはじまりです。
「寒天」は「ところてん」から生まれた?
寒天は、テングサなどの紅藻類を煮詰め、ろ過し、固め(この時点でところてん)、凍結乾燥させてできます。
煮詰めた段階で寒天液にはなりますが、まだ寒天ではありません。
一度ところてんになってから寒天になります。
という訳で、寒天はところてんから生まれたという事がわかりました。
「寒天」の栄養は?
次に寒天の栄養についてです。
寒天は、いわゆる5大栄養素といわれる栄養はありません。
ただ、6番目の栄養素といわれる食物繊維が豊富です。
そして、野菜の食物繊維と違い、なめらかで食べやすいという特徴があります。
また、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維をバランスよく含んでいて、それぞれの効能が期待できます。
水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなり、不溶性食物繊維は便秘解消に役立ち、相乗効果で腸内環境を整えます。
他にも、血糖値を下げる、悪玉コレステロールを下げる効果があります。
何よりも、寒天のカロリーは100g中にたった3kcal程度で脂質、糖質はゼロ。
ダイエットには最適の食べ物です。
寒天の良いところをまとめると
・なめらかで食べやすい!
・善玉菌のエサになる!
・便秘解消!
・腸内環境を整える!
・血糖値を下げる!
・悪玉コレステロールを下げる!
・カロリーたった3kcal/100g
・脂質ゼロ!
・糖質ゼロ!
・満腹感が得られる!
夕食前がおすすめ!
おすすめは、夕食前に寒天を食べることです。
一日三食のうち、朝食と昼食に摂ったエネルギーは日中の活動で消費されますので、一番消費されにくい夕食の前に寒天を食べるのがいいと思います。
満腹感も得やすくなります。
糖質制限でご飯を抜いたら便秘になったという方にもおすすめです。
寒天の量は体調を観察して適量を決めて下さい。
通常はプリンカップ1個分程度です。
これからの季節、のどごしなめらかな寒天デザートを美容と健康に是非お役立て下さい。
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