この記事は2015年12月25日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.27 2015年12月号
日本酒は「お米のお水」
前々回に続き、「発酵の母」第二弾です。
今回は今の季節にぴったりの日本酒のお話です。
日本酒は日本特有の製法で醸造されたお酒で、日本の伝統的な発酵食品です。
前々回のおさらいになりますが、発酵食品とは、カビや酵母などの微生物の働きによって分解されて変化した食品です。
では、日本酒は、何が変化した食品なのでしょうか?
ある居酒屋さんでの出来事です。
熟年ご夫婦のやりとりで、奥様から「お酒はほどほどにしてそろそろお水もらったら?」
とたしなめられたご主人様が「お米のお水くださ~い」とお酒の注文をしたのを見て、なるほどなと微笑ましく思った事があります。
そうです、このご主人様が言う通り、日本酒はお米からできているのですね。
お米が発酵して日本酒に変化したのですね。
醸造とは?
このように、発酵作用を利用して主に液体の食品を作る事を『醸造』と言います。
醤油醸造、日本酒醸造、味噌醸造・・・我が町銚子は、まさに醸造の町ですね。
古き良き日本の食文化が息づく町なのですね。
そして、発酵食品である日本酒が体に良い事は言うまでもありません。
「酒は百薬の長」と言いますからね。
酵母と発酵と醸造の関係
さて、酵母、発酵、醸造と、どれも体に良さそうな言葉が出てきましたが、その意味を整理したいと思います。
まず、酵母は糖を分解してアルコールを作り出す菌類です。
その酵母などの菌類が糖を分解してアルコールなどを作るはたらきを発酵と言います。
つまり、酵母は“もの”で、発酵は“作用”という事になります。
そして、醸造は、発酵という大きな分類の中の一つです。
発酵の母について
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発酵の母① 醤油パン
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ここで前々回からの私の宿題であった「発酵の母」について。
まず酵母があり、その酵母がはたらくと発酵になります。
酵母は発酵の生みの親であるから「発酵の母」と書いて「酵母」となるわけですね。
(「発酵の母」は山口製菓舗の登録商標です)
そしてもう一つ、面白いのは、酵母、発酵、醸造の「酵」、「醸」の文字には「酉」という部首が付いています。
「酉」の字は酒つぼの形からできた漢字で、「成熟する」という意味があり、文字からもお酒と発酵の深い関わりがわかります。
地酒ケーキ
さて、温暖な気候である我が町銚子には、嬉しい事に複数の蔵元があります。
その中の一つ、石上酒造さんのご協力を頂き、この度、銘酒『銚子の誉』を使って地酒ケーキを商品化しました。
新鮮卵で焼き上げたカステラに、日本酒をたっぷり浸み込ませています。
ほんのりとしたカステラの甘味とコク、そして後から広がる日本酒の芳醇な香りをお楽しみ頂けます。
一度食べるとクセになる美味しさです。
疲れた時の甘い物、食後のデザートにと、お酒のきいたお菓子は、至福のひとときをご堪能頂けます。
お酒も好きだけど、甘い物も好き、という方は是非一度お試し下さい。
地酒ケーキは終売いたしました。