この記事は2020年2月16日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.76 2020年2月号
なぜ人間の主食はご飯やパンになったの?
先日「マンモス絶滅の理由解明」というニュースを見て、あるマンガを思い出しました。
日々、獲物を追いかけ、食べていたマンモスの肉が美味しそうだったこと。
人間は生きる為に色々な物を食べてきたと思いますが、なぜ主食がご飯やパンになったのでしょうか?
今回は主食について考えてみたいと思います。
世界中で一番食べられている主食は、小麦、米、トウモロコシで世界三大穀物と呼ばれています。
穀物にはイネ科とマメ科がありますが私達が主食にしている(世界三大穀物)小麦、米、トウモロコシは全てイネ科です。
私は以前から疑問がありました。
なぜ、人類はイネ科を主食にしたの?
米も小麦も食べるまでの作業が大変!
米は、収穫後に稲穂から脱穀し、更に一粒一粒の籾(もみ)をはがしてようやく米粒が現れ、それをたくさんかき集めて一人分の量となります。
大変な作業です。
更に小麦となると、取り出した種子を挽いて粉状にする作業が加わります。
人は、やがて脱穀や籾すり作業を便利にする道具や機械を発明していきます。
そこまでしてイネ科にこだわってきた理由は何でしょうか?
同じデンプン質の農耕をするのであれば、皮をむくだけのジャガイモ(ナス科)の方が良いのではないでしょうか?
ジャガイモが主食として飢餓を救った時もあるのに、イネ科がこれ程までに選ばれてきたのはなぜでしょうか?
食べ物が安定してほしいから農耕を始めた
人類は大昔、狩猟や採集や漁労をして、行き当たりばったりの食生活をしていました。
しかしこれでは、獲物がない日もあり飢えと不安が付きまといます。
そこで、食料を安定して得る為に計画的に作り出す事を考えました。これが農耕です。
私が当時の人の気持ちになって農耕を考えた時このように思います。
栽培ができるだけ簡単で失敗しない方がいい
たくさん収穫できて豊作であってほしい
収穫後は備蓄したい
主食がイネ科になった理由がわかりました!
米や小麦の保存性が抜群なのはわかります。
その他を調べると、穀物は栽培が容易との事。
そして、大変勉強になったのが、米の1ヘクタールあたりの収量の多さです。
ある年の収量を比べてみました!
第1位 米・・・約5,000kg
第2位 小麦・・・約4,000kg
第3位 豆類・・・約700kg
第4位 ジャガイモ・・・約300kg
一度の栽培で多くの人の食料を得られるイネ科が選ばれてきた理由がわかりました。
そのうえで気候に適した物が各地で栽培されていったのでした。
さて実は、もう一つ理由があります。
『ジャガイモだとイノシシやタヌキに狙われるが、米を狙う動物はいない。スズメが米を狙うのは、餌となる虫がいなくなる冬場なので稲刈りを秋にしてしまえばつつかれる心配がない』
という由美子説はどうでしょう?
あれ?
でも「俵のネズミが米食ってチュー」って歌ありましたね・・・。(汗)
私の太古ロマン話にお付き合い頂きありがとうございました(笑)
おいしいお米や野菜を生産されている皆様、いつもありがとうございます!