この記事は令和3年(2021年)7月11日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。(コラム『おいしいおしゃべりNo.93』)
前々回では、『マドレーヌとパウンドケーキの製法の違い』をお話させていただきました。
では、マドレーヌとよく似たお菓子で『フィナンシェ』をご存じでしょうか?
美味しさがギュッと凝縮したお菓子で、『金塊』とか『金持ち』という意味の
味も名前もリッチな焼き菓子です。
私は初めてフィナンシェをフランスのレシピ本で見た時に、まだ食べる前でしたから、
「フィナンシェとは、ただ台形の型で焼いたマドレーヌではないの?」
と思いました。
「同じ味なら貝型の方が愛らしいし、薄っぺらい台形では味気ないな~」
ところが、レシピをよく見ると話は違いました。
では、マドレーヌとフィナンシェの製法を比べてみましょう。
マドレーヌの主原料
溶かしバター、全卵、砂糖、薄力粉
フィナンシェの主原料
焦がしバター、卵白、砂糖、アーモンドプードル、薄力粉
マドレーヌとフィナンシェの大きな違い
・溶かしバターか、焦がしバターか?
・全卵か、卵白か?
・薄力粉のみか、アーモンドプードルを配合するか?
この製法の違いによって、最終的には食感、風味の全く異なったお菓子が焼き上がるのです。
マドレーヌとフィナンシェの食感と風味の違い
マドレーヌは、ふわふわ食感でやさしい風味
フィナンシェは、しっとり食感で濃厚な風味
何気なくフィナンシェを食べた後に、「マドレーヌよりもフィナンシェ派」という具合に、すっかりフィナンシェの虜になる人もいるくらいです。
皆様はマドレーヌ派?それともフィナンシェ派でしょうか?