この記事は2017年2月9日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.40 2017年2月号
デニッシュはパイに似てるけど・・・
当店で「りんごのデニッシュ」というパンがあります。
そう、デニッシュはパンなのです。
ですが、多くのお客様が「このアップルパイを下さい。」とご注文されます。
私は、「お客様、これはパイではなく、デニッシュです。」
と、訂正する事は、当然なく(笑)、「はい、かしこまりました。」
と商品をお取り致します。^^
要は、お客様にとって商品名やパンの種類などは大きな意味はなく、美味しい物を選び、お召し上がり頂ける事こそが一番であるからですね。
ですが、今回はこのどうでもいい事にスポットを当てる事にしました。
「デニッシュ」と「パイ」の違いはなんだ?
ついでに、「クロワッサン」というのもあるけど・・・。
と思った事がある方は、少しでもスッキリされたら幸いです。
そもそも、デニッシュもパイもクロワッサンも、なぜ紛らわしいのか?
「そうなんです!」もう一度言いますよ。
「層なんです!」おわかりですか?
そうなんですよ!デニッシュもパイもクロワッサンも、すべて“層”があるから似ているんですね。
デニッシュとは?
まず、デニッシュは、英語で「デニッシュ・ペストリー」の略で「デンマーク風のパン(菓子)」という意味です。
イーストを使って発酵させてから焼きます。
小麦粉は強力粉を使います。
パイとは?
次に、パイ。
英語で鳥のカササギの事をパイといいます。
何でも巣に持ち込む習性があるそうで、何でも詰め込んで焼き上げる料理にこの鳥の名前がついたそうです。
パイは、発酵させません。
小麦粉は主に薄力粉を使います。
クロワッサンとは?
最後に、クロワッサン。
これだけフランス語です。
その形の通り「三日月」の意味である事は有名ですよね。
強力粉を用い、イーストを使って発酵させます。
一説には、マリーアントワネットがフランスに嫁ぐ時に同行させたデンマークのパン職人がデニッシュ生地を三日月型に焼いたのが最初だと言われています。
まとめ
まとめますと、イーストを使って発酵させているのがデニッシュ。
発酵させていないのがパイ。
クロワッサンは発酵させているのでデニッシュの仲間、という事になります。
また、デニッシュとクロワッサンはパンで、パイはお菓子、という分け方もできます。
小麦粉の違い、発酵するかしないかの違い、層の枚数の違いで食感や風味も違ってきます。
ま、美味しければどうでもいい事なんですけどね。(笑)
当店の「りんごのデニッシュ」
当店では、いろいろなデニッシュを焼いています。
是非ご賞味下さいませ。
りんごのデニッシュ
※季節限定です。