この記事は令和3年(2021年)11月13日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。(コラム『おいしいおしゃべりNo.97』)
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、人間には五つの感覚機能があります。
これら五感を使って外部からの信号をキャッチします。
さらに、味覚には、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味という5種の基本味があり、体に必要な栄養物を摂取するための大切な信号をキャッチします。
甘味は糖類に代表される味で、エネルギー源の存在を示す信号であり、塩味は体液のミネラルバランスの維持に関わる塩類の存在を示し、うま味はタンパク質の存在を示す信号です。
酸味は食物が腐敗しているかもしれない、苦味は毒物かもしれない、と危険を示す信号です。
このように私達は生命維持のために働いている味覚の信号を、「おいしい」とか「まずい」などと感じています。
食物を味わう時、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の複数の味要素が互いに作用し合う事を「味の相互作用」といいます。
その中の一つに「対比効果」があります。
塩味と甘味の対比効果の例として、スイカやお汁粉に少量の塩を加えることで、甘味が強まり美味しく感じられます。
この場合、塩味と甘味を同時に味わうため、「同時対比」といいます。
また、甘い物を食べた後、塩味の物を食べたり、その逆だったり、甘味と塩味を交互に食べると、味が明瞭に感じられて美味しく感じられる事を「経時対比」といいます。
甘いお菓子を食べた後のお煎餅って特に美味しいと感じませんか?(笑)
当店では、この度、千葉県立銚子商業高校、JAちばみどりと共同開発の『銚子ゆでピナンシェ』を新発売いたしました。
少し覚えにくい商品名ですが、『銚子ゆでピー』と『フィナンシェ』を合わせた造語です。
『銚子ゆでピー』とは、銚子産ゆで落花生のブランド名です。
フィナンシェとは、蜂蜜とアーモンドのコク深い焼き菓子です。
銚子ゆでピーの塩味とフィナンシェの蜂蜜の甘味が絶妙の相性で、まさに「塩味と甘味の対比効果(同時対比)」が生きた美味しいお菓子が完成いたしました。
毎年、銚子ゆでピーが出回る時季限定の商品となります。
(イオン銚子店1Fギフト銘店にて販売中です)ぜひ、ご賞味下さいませ。
塩味と甘味が美味しい『銚子ゆでピナンシェ』