この記事は2019年4月13日に地域日刊紙『大衆日報』に掲載されたものです。
コラム『おいしい おしゃべり』VOL.66 2019年4月号
山口製菓舗は創業105年!
新しい元号が決まりました。
山口製菓舗にとっては、大正、昭和、平成、令和と四つ目となります。
山口製菓舗は、大正三年に駄菓子屋から創業し今年で105年になります。
手作りから創業、今ふたたび手作りへ
創業当時は当然のこと、すべてのお菓子を手作りしていました。
昭和になると、便利な道具や機械を導入し、ベルトコンベアのある町のパン工場として地域の小学生が工場見学に訪れました。
一日に8,000個もパンを作っていました。
私が嫁に来た頃も機械による大量生産は行われていました。
機械生産は、同じ作業を早く、しかも少ない人手で行うことは得意ですが、微妙なさじ加減を臨機応変にすることは苦手です。
私は、機械が作ったコッペパンがどうも気に入りませんでした。
結局、少しずつ機械から手作りに移行し、今では100%完全手作り製法に切り替える事に成功しました。
当店を代表する商品の一つであるコッペパンを例にとっても、創業当時の手作りから機械生産を経て、そして今ふたたび手作り製造に戻った訳です。
伝統とは、変わらぬ製法で一貫するだけでなく、時代や環境の変化に合わせて微妙に変え、生き残るからこそ、その結果の年月の蓄積こそが伝統であるのではないかと思います。
直営店は「赤毛のアン」の家
そして当店は、平成22年に、工場と本店を創業地の川口町から現在の清川町へ移転させました。
店名も「ベーカリー赤毛のアン」としました。
店舗外観は、物語「赤毛のアン」に登場するグリーンゲイブルズを再現させ、正式な「赤毛のアンの家」としてカナダ大使館にて認定されました。
赤毛のアンのファンが全国から訪れ、赤毛のアンの家に憧れて建築した方が随分といらっしゃいます。
山口製菓舗としては革新的であった移転から来年で10周年を迎えます。
山口製菓舗で105年、ベーカリー赤毛のアンで10年、飽きないように商い(しゃれです笑)を続けてこられましたのも、地元の皆様のお陰です。
本当に心より感謝申し上げます。
写真の長男も現在は都内の一流ホテルでパティシエ修行中です。
私達は、大正、昭和、平成から譲り受けた商売を、令和へと受け継いで行きます。
これからも、真面目にコツコツと身の丈に合った商売を一生懸命にやって参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
カナダ大使館にて(*^。^*)/